CHIHO SAITO X IKUHARA KUNIHIKO SPECIAL TALK

From the Sept 2017 Flowers magazine, this interview is included with the first installation of After the Revolution. I used OCR to transcribe this and don't speak Japanese. I did go through it and correct errors, however, my eye isn't trained to the language so there may be some mistakes. Sorry about that! I welcome/beg/encourage any translation efforts, and if they happen, would love to be able to include this on Empty Movement!! Also, I've uploaded the full scans of this interview as published in two different places, just to be thorough! Check out http://ohtori.nu/resources! - Giovanna

1つの絵から

始まつた出会い。

『ウテナ』 が動き出した瞬間

ーそもそも、幾原監督がさいとう先生に 『ウテナ』のキヤラクターデザインをお願い したき0かけは…?

幾原(以下•幾)当時、『美少女戦士セー ラーム!ン』というアニメをやつてたんで すが、次の作品は自分でオリジナル企画を 考えていたんです。ただ、次はコスチユーム を着た女の子が何かするようなものではな いと思つてたんですよ。そんな悶々として いた時にたまたま入つた書店で、さいとう 先生が描いたイラストのプチコミックの表 紙を見つけて、その瞬間にひらめいたんです。 「あ、この人かもしれない!」と。「この絵の人 にキヤラクターをお願いできたら、すべての辻棲が合うんじゃないか」と直感的に思つた んです。だから、それまで考えていたことを ひっくり返して、「次はこのビジュアルを中 心にして少女アニメを作るんだ」つて思い込 んじやつた。

さいとラ(以下•さ)
その前に考えてたのは『ウテナ』とはだいぶ違うものだったん ですね。


"ウテナ"という名前はあったかもしれないけど、いろんなバリエーションがあつて、「幼稚園の先生」とかも考えでた(笑)。僕は「女の子が主役みたいのをやり続けていいのかどうか」と揺れてたんだけど、さいとう先生の絵に出会つ!!に!!純に絵に惚れたんですよね。理屈じやなくて,「これだ!」と。「次は、これですごい作品ができる に違いない」と直感的に思った。

—絵でインスピレ—ションが湧いてきた という感じですか?


比較的、僕の場合はそういうことが多 いです。たぶん僕って理屈は言うんですが、 その理屈をねじ伏せてくれるパワーのある 絵が好きなんです。さいとう先生の絵には そういう力があって、僕がこざかしく理屈を考えてたのを吹き飛ばしてくれた。

ーさいとう先生は幾原監督からのお話が あつて、どう感じられましたか?


最初は「セーラームーンの監督やス タッフが、次にゲームを作るのでそのキャ ラデザインを頼みたいらしい」という話をプ チコミックの編集さんから聞いて。「セー ラームーンの大監督さんが!?」と驚いて、「す ぐお会いします!」と返事をしました(笑)。


実はゲームというのは嘘なんです(笑)。 なぜ嘘をついたかというと、「アニメ化で す」というと.さとう先生の周りの人か警 戒するだろうと思つて、まず「ゲームです」 とジャブを打つてみようかと。途中から「ア ニメに変わりましたよ」と姑息な計画を考 えてたんです(笑)。


それで、「キャラデザインをやりましよ う」ということになつて。でも最初はあまり リクエストはなくて、私の「『円舞曲は白い ドレスで』のイメージでお願いします」と いつた感じでしたよね。


その当時やりとりしたさいとう先生の手紙とか、僕が描いたラフとか部持って るんです。当時はメールがなかったので、意 見のやりとりをファックスで送りあって。 ただ、最初は企画がはっきりできてなくて、 描きながら考えるって感じでした。申し訳 なかったんだけど、絵にインスピレーショ ンを受けていたので、さいとう先生の絵が こうだったら話はこう変えますみたいな。


最初はそれで戸惑いました(笑)。監督 がいろいろリクエストを出してくださつて、 どうもイメージを膨らませるための絵を描 いてほしかつたらしいんですけど、当初は 全然それがわからないままで、結構やりと りしてましたょね。


僕の中では、デザインが固まってから のストーリーだったんですょ。まずキャラ クタ丨のデザインができて、僕がそのデザ インに惚れてるってことが大事で、それに 惚れられない限り、ストーリーやキャラの デイテイールが考えられない。どっちかと いうと自分の中に何もないから、さいとう 先生に出してもらったものに惚れる、という無茶苦茶なことをお願いしてました(笑)。


素敵な絵の雰囲気がないと、監督に火 がついてくれないわけですよ(笑)。でも私 はそんな雰囲気が求められてるとは思わな くて、単にデザインのことを言われてると 思ってたので、「ここにこういう飾りをつけ た方がいいですか」とか見せる度に「違 う」ってOKが出なくて。でもウテナとアン シーが身を寄せ合ってちょっといい感じ、 みたいな絵を描いたら「これこれ!!」と言 われて、「そういうことだったのか」とその 時初めてわかりました(笑)。

—そのキャラデザインは今のウテナと アンシーに近かったんですか?


ほぼその時に完成してましたね。完成 度が高かつたんで、そこからは逆算的に他 のキヤラも作られていきました。ストー リーもそこからですね。『ウテナ』のストー リーのデイテイールは全部さいとう先生のる話が多いんです。だから暁生の関係とか、 幹の兄妹の関係とかさいとう先生のまんが。


監督と脚本家のお二人が私の作品をすごく読み込んでくださってたのは知ってた んですが、そういう風に利用していただい でるとは知らなかったです。

—まんがは幾原監督とー緒に作られてい たんですか?


ネームはいつも見せてもらってましたね。


最初の一話目はかなり監督に見ても らって、ある部分は「僕がネームをやるか ら!」と言われました(笑)。


「見せゴマはこのサイズで!」とか言い ましたね(笑)。さいとう先生はキヤラク 夕丨ものというより、どちらかというとストーリーから始まるまんがを描かれてきたんですよね。でもアニメはキヤラクターを 推していくので、まんがも「キヤラを見せ る」というコマ割りであってほしい。だから ちょっと僕がコマ割りを触らせてもらつた 部分がありました。

—ストーリーでアニメと異なつている部 分というのは…。


とにかく、アニメのシナリオだけを見 ているとシユールなことが書いてるわけで すよ(笑)。「これはどういう意味なのか」っ ていうのは作ってる僕もよくわからなくて。 やってみるまでわかんないんだけど、アニ メが完成するのは1年後なんですよ。それ をなかなか「こうだ」つて言えないし、言つ たところでまんがにするのは不可能な表現 なんですよね。


当時は、ストーリーがこの先どうなるのか全くわからないまま描いてたんです。 アンシーがどういう子かも全くわからない。 正体も全く知らなかったから、「あれ?お 兄さんがいるんですか?」って驚いたり…。


それは、僕らもよくわかっていなかっ た(笑)。考えながら作ってるんで(笑)。

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スト^リ^をリ^ドしていつた

キヤラクターの磁力
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全然誰も知らないものを、1年後には アニメに話が追いつかれることを覚悟に描 かなきやいけなかったんで、全く訳がわか らないけど勝手に進めさせてもらいます、 と描いてましたね…(笑)。


でも、こちらもシナリオがあって作業 には入っていたとはいえ、先に完成形とし てさいとう先生のまんがが出てくるので、 実はそれがすごくスタッフを励ましてたと いうのはありますね。「我々は一体何を作つ ているんだ!?」とよくスタッフの間で言つてたんですが(笑)、やっぱりビジュアルの 力って強くて、さいとう先生のまんがが完 成した時に「あ、こういう作品なのね」とみ んなで共有できた。結局のところ、どういう シュールなストーリーが展開しても、こう いうビジュアルに落ち着くのね、とみんな が納得してくれたんです。たぶんストー リーだけだと、スタッフでィメージを共有 するところまでは到達できなかつたと思い ます。


私は、何もわからずに描いていました が…(笑)。


だから逆に、ストーリーがどうしてあ そこまで弾けられたかというと、さいとう 先生のキャラクタ丨の磁力でみんなをつな ぎ止めたと思うんですょね。

—ちなみにそれぞれのエンデイングは話し合われたんですか?


ー応、TV放送とまんが版の終了が同じ時期だったので、私もTV版がどうなる かは脚本では読んでました。なので、それを ちょっと頭に入れながら、でもまんが版は それをそのまま描く流れにはなってなかっ たので、少し違う形に…。


でもアニメの最終回あたりの話は シユールな内容なので、この意味はどう解 釈すればみたいなのがあったんじやないで すか(笑)。


映像だから圧倒されながら観てるんだ けど、「これどういう意味?」と考えはじめ ると訳わからなくなっちやうので、私は「こ れはこれ、あれはあれ」と思って描いてまし た(笑)。でも、アニメを観ると毎週「こんな ことになつた…どうしたらいいの!?」とい う気持ちに…。それを月に4本も見せられ て、毎回「負けました!」と思いつつ描いて ましたよ(笑)。

—新作のまんがは今(インタビュー時)、 制作中と伺つてますが…。


監督のプロットの取りかかりがすごく早かったので「楽勝じゃない?」と自信満々 に待ってたんですけど(笑)、今は途中で ちよっとつまづいていろいろ相談しあつて る最中なので、まだ話が完全にはできあ がってなくて。


やつばり自分の中に「誰も観たことが ないものを作りたい」という欲があって。ア ニメの時も、一度みんなで「普通こうだよ ね」とコンセンサスを得たものを一回ゼロ リセットして、みんながそれで真っ白に なった後に、そこからひねり出されたもの を採用するっていうことが多かったんです。 大変だったと思うけど、いろいろ試行錯誤し たからこそのビジュアルパワーだったりス トーリーの勢いだったりはあるのかなと。


それを今またやろうとすると、非常に 大変ですよね…。


でも今は『ウテナ』はそういうもん だ、ってわかつてるところはあるじゃない ですか(笑)。その心の準備がないとお互い 「何をやろうとしてるんだろう」みたいなこ とになると思うんだけど、「この作品って シュ—ルな展開だよね」と読者もわかって るし、こちらも「そういうシュールなこと が起こるんですよこの作品は」とわかって るんで(笑)。

—久しぶりに『ウテナ』に向き合ってみ ていかがでしたか?

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『ウテナ』の中心にあるものとてなかおも作り手の中の想い
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あまり違和感ないですね。


うん、ないですね。当時は「西園寺や冬 芽はどういうやつな、んだ?」つてい.うのが 僕とさいとう先生も食い違つてるし、各ス タッフでも食ぃ違ってた。でも今はもぅ キヤラが一回できあがってるので、そういう意味での迷いはないですよね。それより は逆算的に「彼の性格ならこういうことす るんじゃないの」とか「彼はそういうこと しないだろうね、たぶん」という作り方です。

—お二人にとつて『ウテナ』とはどうい う作品ですか?


僕の場合、『ゥテナ』に限らず作品を作 る時はそうなるんですけど、「ィニシエー ション」ですかね。〃通過儀礼,/的な作品とい うか。これをやりきらないと、このトンネル を抜けないと次に進めない,という作品で した。その作品がちよっと時代からずれて るとか行きすぎてるということは自分でも 分かるんだけど、どうしてもそれをやりた くなって、どんなトラブルがあっても、この 通過儀礼を乗り切らないと次に進めないん だと自分がなっちゃうんですよね。


私はずっと自分ひとりでまんがを描い ていたので、共同作業をするのが初めて だったんです。自分の意見も反映しても らつてるんだけど、「どういう風にできてい くんだろう?」と結果を見るのがすごく楽 しみでした。世間的にも、まんが以外の場所 で評価してもらつたりしたので、私にとつ ては「ギフト」みたいな感じです。


当時は印象深い作品をつくろう、観た 人がずっと忘れられないようなオンリーワ ンの心に残る作品を作ろう、と思つていて。 実際に今、20年経って、まだこんなに好きだ という人が多い作品だつたんだ、というの は意外な嬉しさではありましたね。当時は「誰に向けて作ってるんだ?」とはよく言わ れたんですけど、時間が経って今、「あ、届い てたんだな」と思う嬉しさがあります。


割と女の子のファンもずっと大事に 持っててくれてますよね。作品の中に20代 のスタッフ達の悩みとか苦しみみたいなも のも入ってたんだけど、身近なものとして ダイレクトに受け取ってくれたんだなと。 モチーフは私の作品だったかもしれないけ ど、監督とかスタッフの心情が、が一っと 詰め込まれてた感じがするんですよ。


当時の自分達が置かれていた立場の切 迫した心情が、作品に反映されていた部分 はあったかもしれないですね。それと、〃女 の子の居場所,"みたいな話なので、そこも みんなの心に残ったところなのかなあと。 「女の子はどうなりたいの?」「女の子はこ の社会の中で脇役なの?」という自問とい うか。結局『ウテナ』の一番中心にあるのは「挫折」だと思うんですよ。その挫折っていう のが、作り手の僕らの挫折の話でもあって。


それを考えると、女の子はそんなに子 供の頃から挫折を知ってるんだなあという のが…。


みんなの心に『ウテナ』が留まってる 理由は、中心にあるのが挫折だからかなと。 これがサクセスの話だったらすぐ忘れられ たと思うんです。


成功の話だったら憧れてそうなりたい な、っていうのはあるけど、挫折だと「自分 の話だ」と思いますもんね。

—女の子の自問の話というと,今の『と りかえ•ばや』にも通じるところがあります よね。


そうかもしれないですね。平安時代か ら女の子は挫折してたんだなあと…(笑)。

—『ウテナ』を描いたことで、ご自身の作 品に影響を受けたことはありますか?


その頃までは私は百合的なものが描け なかったんですが、『ウテナ』を描いた時に 「ああ、いいな」って思ったので、『とりかえ. ばや』で四の姫と男装した沙羅双樹が結婚 したところは楽しんで描いてました(笑)。 女同士で結婚してるんだけど、ばれてもい けないからハラハラドキドキみたいな。『ウ テナ』の経験が『とりかえ•ばや』の女の子 同士の可愛い関係に反映されたと思います。 —幾原監督は、さいとう先生の他の作品 から彩響を受けたことはありますか?


受けてますね。この間もさいとう先生 の短編で凄い話を見つけて、そのことを話 したら、「そんな話、私描いたつけ?」つて言 われて「えええ!?忘れてる!?」つて驚いたことがありました(笑)。「あんな凄いまん がを描いてるのに忘れてるんだ!」と。


作品は生み出した時点では総て平等に 「私の子供」なのですが、すごく反響がよく て「ファンです!」つて言つてもらえると 愛しくなって読み返すことはあるんですけ ど、あまり反響がない作品だと「あ、だめ だったんだ」と思って全然読み返す気にな れなくて。描いてから一度も読まない作品 はいくつかあります(笑)。そうするともう 全然忘れちゃって。


作り手って、無限に引き出しがある人 もいるのかもしれないけど、どちらかとい うと題材を変えたりキャラクダーを変えた りして反復するパタ丨ンが多いと思うんで すよ。前はうまくいかなかったけど、今回は こうアレンジしたらうまくいくかも、と無 意識に、さいとう先生の中にあるものが形 を変えて繰り返されてるんじやないですか ね。本人の中でひとつひとつの短編のデイ テイールを覚えてないつていうのはそうい うことなのかなあと。


何回も失敗してるなあつていう感覚は強くて。「今度こそは!」みたいな感じで ちよつと変えて出すことはよくあります。

-さいとぅ先生は画業35周年といぅこと ですが、振り返っていかがですか?


毎日まんがを描いてたなあと…あまり にも年月が早く経っていった感じですね。 私は少女コミックにデビユー作が載って、2週間後くらいに連載が始まったんです。


え、デビユーしてすぐ!?

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毎日まんがを描いた先に…
画業35周年を迎ぇて
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その時の担当者が私のことを見込んで くれて、まだデビユーもしてないのに連載 枠を取ってくれたんですよ(笑)。でも見事 粉砕しちやって、全然ゥケなかったんです。 期待されたのにダメだった…つていうのが まんが家デビュー当時の思い出です。まず 「ダメだ」つていうとこから出発してるので、 ウケない辛さみたいなところがまずあつて、「読者にどうしたら私のまんがはウケるんだろう」というのはすごく試行錯誤してま した。

-そこから抜け出すきっかけはあつたんですか?


最初に結婚ものを描いた時にちょっと 反響があったんです。当時私はもう結婚し てたので、「いや結婚ってこんなものじゃな いから」っていう気持ちがあったんだけど 「あ、ラブラブものがみんな好きなんだな」 と学習したんです。でも「こんなべ夕な話恥ずかしくて出せない...!私はもっと高尚なものが描き/たいの!」という若さから来 るプライドもあつて。でも、思い切つてべ夕 なものをズバーツと出したらそれがすごく ウケたんです。それでそこに私の活路はある んだと思って、が一つと描いた頃がありました。そこでちょつと成功して、一息ついたこ ろにエロスを追求したり濃厚な世界に突入 していつた頃に『ウテナ』の話をいただいて。


僕の印象だけど、さいとう先生は元々 バロックの世界が好きだったと思うんです ょ。で、当時の少女コミックイズムみたいな 恋愛ものの要素を取り入れていつたところ に、もう一回バロックの流れを出したらそ れがぱちつとはまつたんじやないかと。


自分が持つてるものだけをそのまま出 したら全然ダメだつたんだと思うんです。 でもそこで葛藤して、私の中と読者の中で 重なる点を探して増幅させて、その上で自 分の描きたかつたものをバーンとぶつけら れるテクニックがその頃には身についてい たので、それで成功したのかな。


『もう一人のマリオネット』の頃から、 バロックなビジュアルを前面に押し出して て、それがちよつと他の作家さんとの差に なつてましたよね。いわゆる恋愛ものとは ちよつと違う大河ドラマというか。そこに 深みとか世界の広がりを感じました。


それで突き進んでいって、『ウテナ』の 成功もあって『花音』で小学館漫画賞をい ただいて、ある程度達成感があったんです。 そこまで毎回辛い思いをしながらまんがを 突き詰めてきてたので、そこでちょっと安 心しちゃったんですよね。評価されると必 ずひとつそこでダメになりやすいんだけど、 それが私にもあって(笑)。それで一時期、全 然まんがを描きたくない時があったんです。 それでも「辞めたらダメだ」と思ったし仕 事がくる以上は求められてるということだ から、となんとか続けているうちにだんだ ん情熱が復活してきて。それに、フラワーズ はベテランの方がたくさんいる雑誌なので、 私はこの中では後発としてやらせていただ いていいんだと、気が楽になりました。それ で割と好きにやらせていただいて、現在に 至つたという感じです。それでも毎日毎日ま んがを描いてきたなあと…よく生き残って きたなあという感じです。

-最後に、フアンの皆様にメッセージをフアンに届けたい想いお願いします。


『ゥテナ』を20年も観ていてくださつて ありがとうございます。僕としてはこれほ ど長くみんなに好かれてるキャラクターに なるとは思わなかつたんですけど、もしか すると初めてまんがを読むとか初めてアニ メを観たつていう人にとつてのィニシエー ション的な体験になれたということが、こ の作品のいいところなのかなと思いますね。 今回、初めて『ウテナ』を知る人もいると思 うんですけど、そういう人のためにも今回 の新作掲載はあつていいなと思つたし、ま た『ウテナ』がメディアで取り上げられることで励まされる人もいるんだろうなと思つ たので、どうか許してくださいということで …お楽しみいただければ(笑)。


私もやつぱりちょっと「許してくださ い」と思いながら描いていて…(笑)。すごく 美しく終わって、あんなに感動的な最後を 迎えた作品を汚すことになりはしまいかと 恐ろしい思いもあるんですけど、まぁみん な大人になったんだから許してほしい な、って…(笑)。


みんなの心の中にあるものだから、作 り手側が、そのイメージを壊すことになっ ちゃうかもね、つて話はさいとう先生とも したんですよね。それでも『ウテナ』を待って くれてた人達はいたと思うので、その人た ちのためにももう一回表に出てみましよう、 と自分たちは納得しあつたんだけど…。 さだって10年後には描けるかゎからなぃ ですよ、体力的なことを考えても。そうするとギリギリのチヤンスかなぁって。せっか く20周年っていう年月も味方してくれて、 チヤンスも与えていただいたわけだから、 なんとかチヤレンジさせてほしいっていう 気持ちです。

—さいとう先生、それではご自身のファ ンに向けても一言お願いします。

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フアンに届けたい想い
お二人からのメツセージ
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今までこうやっでまんが家一筋の生活 をさせてもらえたのは、ひとえに読者の 方々が本を買ってくださったおかげなので す。なので、読んでる人が喜んでくれたり、 心の支えにして「来月まで、この続きを読 むまで頑張ろう」と思ってくれるような作 品を少しでも長く提供できたらな、という 気持ちです。まんがしか描いていない私で すが、誰かの日々の何かの役に立ちたいと いう思いで描いてるのかなと思います。本当 に感謝しています。

―お二人とも、ありがとうございました!

Transcribed by Giovanna for Empty Movement/whatever (ohtori.nu)